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トラブル対応は人材育成の好機

みなさんこんにちは。今日は昔から言われている人材育成の極意(?)について触れたいと思います。

いつも申し上げていますが、社会人としての成長は「生の仕事」を通じた学びから起こるものです。

ですから人材育成の主流はいわゆる「OJT」であることは間違いないでしょう。問題は本人を伸ばす「具体的な場」をどのように与えるかです。

通常、業務目標を与える際には「本人の能力を少し超える目標を」と言われています。それは目標達成に苦労し、その「困った状態」の時にもらうアドバイスが最も成長を促すからです。

私もこのことには賛成ですが、より具体的なプロジェクトや業務の中で自然かつ効果的に部下育成をおこなえる場面があると考えています。

それが「トライブル対応」という場面です。

トラブルとは顧客期待値との乖離、ルールやプロセスからの逸脱、コミュニケーションミスなどから起こります。この対応が悪いと一気に炎上し、上層部を巻き込んだ会社の信用問題に発展してしまいます。

このような非日常の場面で当人は当然ストレスを抱え、限られた時間と情報の中で、どう問題を解決して信用を戻していくかを考えなくてはなりません。いささか不謹慎な言葉になってしまいますが、これが非常に良い勉強の場になるのです。

 

ここで学べることは主に二つあります。

一つ目は「お客様の期待値やニーズ」です。
トラブルの状況下では日常では事務的に処理され、見逃しがちなことを改めて再認識することができます。

たとえば「自分の給与はお客様が支払ってくれている」という事実や「お客様を満足させることなくして会社や自分の成長はありえない」という本質に気が付くのです。

これらは業務に熟練し、お客様の存在を忘れがちになったときにうまく本人のモチベーションを再起動させるきっかけとなります。
この時に一緒に対応する上司はこの機会を逃さずに「お客様とは何か」
「お客様満足とはどういうことか」「これが満たされないと会社がどうなるのか」しっかりと教えなければなりません。

もう一つは「コミュニケーション」です。

誰にいつどのように伝えればよいのか、逆に誰からいつどんな情報を得ればよいのかなど、トラブルの中では的確な情報伝達が求められます。

このスキルは一定以上のレベルになると標準化できず、むしろ大きな失敗からしか学べないといっても過言ではないほど身に付けることが難しいものなのです。

トラブルの多くは「お客様の立場で考え、必要なコミュニケーションを取っていれば大事には至らない」と言われています。私も同感です。

ミス回避のための仕組みづくりももちろん大事ですが、トラブルの本質はこのような仕事への基本姿勢や有事の初動など精神的な面が大きいのです。

トラブルは発生しないことがベストではありますが、もし発生してしまったら、人材育成の観点から考えればチャンスです。

ここで本人を大きく飛躍させ、10年後に「あのときのトラブル対応で大きな学びがあってそこから成長したと思う」と言わせるような濃い部下指導をしてみては如何でしょうか。


2010.06.03 樋口弘和

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