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無いものねだりの人材育成
皆さん寒い毎日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
私は立場上、顧客訪問(含む営業活動)、講演・セミナーの司会進行、クライアント内のプロジェクト進行などを通じて、多くのトップマネジメントの方々と日々接しています。
人材の成長を心底願う皆さんは、例外なく「会社なんて要は人次第なんだよな」とおっしゃいます。
ですが一方では、この面倒な人材育成に本腰を入れて取り組んでいる経営者は稀だとも言えます。
(私も含め)彼らが陥る落とし穴はこんなところにあります。
まず第一に「自分だって若い頃は誰かに指導してもらい今がある、ということを忘れている」ことです。
自分のことはさておき、不思議なことに部下に「完成品」を求めてしまうのです。
もう一つは「部下の労働価値観が自分と同じである」と思い込むこと。
これだけ変化が報じられ、実感できる世の中においては、こうした思い込みはまったくをもって都合の良いものであり、無いものねだりでしかないと言わざるを得ません。
こうした方々には「自分の過去をじっくり思い出してください。
誰にどう叱られたか、どんな失敗から何を学んだか、そのとき上司は何を我慢してくれましたか」とアドバイスしています。
すると彼らは、神妙な顔付きで過去を思い出し、妙に納得するような表情になります。
また価値観の変化に関しては、「今の時代にあなたが育ったらどう行動しますか?」と質問を投げ掛けます。
そうすると、少しは部下の立場がわかるようになるようです。
まあこれはコミュニケーションの原則である「相手の立場を理解すること」そのものなので、不思議でも何でもありませんよね。
このように部下の立場に立てば、無いものねだりや嘆いていても仕方のないことだということがわかります。
では何をすべきか? 答えはとてもシンプルです。
フリービット株式会社の酒井穣さんは物凄い勉強家で、お会いするたびに色々なことを教わっているのですが、こういう話を聞きました。
「草食系を肉食系に育成できます。でもそのためには、きちんと叱れる上司がタイムリーに仕事のフィードバックを繰り返すことが必要です。
こうすることで部下は折れそうになりながら耐久性がついていく。
こうしたプロセスの繰り返しを通じて成功体験を積み重ね、肉食獣に育っていくのです」
これこそが人材育成そのものではないでしょうか。
これをやるために会社がやらなければならないことがいくつかあります。
・上司の役割と評価
・部下とのコミュニケーションスキルやプロセス
・数年後の目標やマイルストーン
・成功体験を積んだ部下が「化けるように育つ」喜びを共有すること
などなど・・・。
少なくとも、習慣的に行っている研修や放置プレーのようなOJTでなく、会社全体でこうした取り組みが実施できるようにしたいものです。
こうした活動の積み重ねが「組織力を向上させる」ということなのではないか、と改めて実感した次第です。
樋口弘和




