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投資効果の高い社員研修、低い社員研修とは?

ここ数年の社員教育・研修のトレンドを眺めてみると、内容が毎年同じで、特定の階層に対して一律に実施する定型的・イベント的なプログラムは、廃れてきたように感じます。予算を消化するために、毎年続けられてきた定番の教育・研修の在り方が見直されているのです。

 

その背景としてはやはり、日本企業の収益力低下があります。

私は社員の教育・研修は、事業投資と同じだと考えています。私だけでなく少なくとも企業の経営トップは、そうした意識を強く持っているのではないでしょうか。管理職向けの研修で、仮に一人あたり10万円を使ったとしたら、リターンはどのくらい得られるのか。何のために研修に資金を費やすのか。教育・研修を行う目的とその効果が、シビアに評価されるようになっているのです。

 

教育・研修を投資と考えた場合、やはり重要なのはコストパフォーマンスです。関係従業員を集めて一定時間拘束し、何らかの知識やノウハウを教えるといった内容の集合研修は、昔からよく行われていると思います。しかしみんなで集まって何かを学ぶという教育・研修のやり方は、人件費を考えればコストがかかりすぎます。今はITも発達しているわけですから、知識やノウハウはEラーニングや書籍を用いて従業員各自が自分自身で学べばよいのです。

 

では集合研修に意義がないかというと、そんなことはありません。
私は高いコストをかけてまで実施する意義があるのは、参加者の視点や意識を向上させる教育・研修だと考えています。

そのためには自社の課題について議論することが一番ですが、課題といっても目先の業務課題に関する議論ではありません。そのような話は、普段の仕事のチームや、上司と部下の間で話し合えばいいのです。特にマネージャーを対象とする教育・研修では、「今現在」ではなく「将来」の経営課題について、コミュニケーションを図る場を設けることが基本だと考えています。

 

このような教育・研修を効果につなげるには、

  • (1)研修の実施者がビジョンや目標、経営課題をしっかりと理解していること
  • (2)そのうえで課題に合わせたプログラムにカスタマイズすること

の2点がポイントになります。弊社でも、ベースとなるプログラムを顧客企業に合わせて柔軟にカスタマイズしています。弊社の研修は現場で研修での学びを再現することに重点を置いており、ロールプレイやケーススタディを多く取り入れていますが、そのときの題材も可能な限り顧客企業のビジネスを踏まえたものを作成・提供しています。

 

教育・研修を成功させるポイントをもう一つ挙げれば、非日常性を創り出すことです。言い換えれば、参加者にどれだけ楽しいと思い、研修に熱中してもらえるかが重要です。上司・部下の上下関係が出てしまうようなやり方では、皆が黙ってしまって有意義なコミュニケーションが図れません。研修の場では普段は話さない人とチームを組んでもらったり、私服で参加してもらったりして、非日常性を演出することをおすすめします。

とはいえ人事や組織に関する経営課題は、必ずしも教育・研修だけで解決されるとは限りません。顧客企業のお話をじっくりうかがってみると、問題の根幹は教育・研修制度にはないというケースも少なからずあります。

そのような場合には、従業員の意識調査や能力調査から始めましょうとご提案することもありますし、人事制度や評価制度の変更を提言することもあります。教育・研修を受けてもらうことではなく、経営課題解決のコンサルティングをするのが、弊社の果たすべき役割だと考えているためです。このため教育・研修の効果や限界、研修後にだれに対してどのようなフォローが必要かといったことまで、初期の提案段階で顧客企業にお伝えしています。

 

弊社は、教育・研修だけを専門に行っている企業ではありません。人事や組織が抱える課題をトータルで解決する“課題解決屋”だと自負しています。そのためのソリューションサービスの一つが教育・研修という位置づけであり、それ以外にもさまざまな方法で、課題解決をお手伝いしたいと考えています。

樋口弘和

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