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職場での教育は人を変えうるか?

皆さん、こんにちは。経営者向けの専門誌にはよくこんなタイトルが踊っていますが、皆さんはどのようにお考えでしょうか。

 

歴史のある大企業と中小企業に聞いた場合では、その答えは全く異なります。大企業の方に聞くと「教育で人は変えうる」と答える方が多いですが、中小企業だと「ある程度しか変えられないので、育成よりも採用が重要だ」と答える方が多いものです。

このような差が出る理由は、大企業と中小企業の採用力と組織力の違いといえるでしょう。

 

一般的に大企業は中小企業に比べて採用力があり、採用する「人材のレベル」の当たりはずれが小さいということが挙げられます。

「人材のレベル」というと、学歴に代表される知的能力や意欲面のみが論じられることが多いですが、私は大企業と中小企業の人材の差はそのような一部の面より、むしろ能力全体や意欲のバランスの差だと考えています。

 

大企業には総じて「バランスのよい」人材が入社することが多いようです。
そのため、入社時には個々に大きな差が見えづらく(少なくとも人事担当者には)、入社後の教育によって差がつくように見えるのです。
また、大企業は組織が大きいため、職場や仕事の種類も豊富であり、採用の失敗をカバーできる吸収力もあります。

この点、中小企業は環境が全く異なり、採用時点における差がそのまま業績や評価に直結するように見えます。

また、入社後の教育をおこなう余裕がないこともその要因の一つでしょう。そこで今日は、後者の立場で詳しく考えたいと思います。

 

中小企業の場合、「人材のパフォーマンスは採用時点で8割方決まってしまう」と私は考えています。特に、苦しいことからを逃げずに切り抜ける力は、他人が教えることはできません。

残りの2割は、人事部のがんばりと言いたいところですが、実際には最初の配属された上司次第というのが私の意見です。最初の上司になる人が、どれだけ情熱をもって、鍛え抜いていくかにその後の成長が大きく左右されるのです。その点優しい上司は新人にとって、あまりよろしくありません。
鍋蓋上司も然り。当然ただのいじめにみえるようなパワハラ上司もNGです。

こうした企業の組織力向上をご支援する場合、私は「とにかく3年で採用力を大幅に上げましょう。そうすれば、できるオプションが増えます。」と申し上げています。

 

採用力の次におこなうのは、育成力を上げること。

具体的には新人受入上司の選定と教育です。新人の育成については、最初の1年目が肝です。鍛えるにはいつも本人の能力の120%くらい負荷をかけることが必要です。

このような、つぶれるか伸びるかというきわどいマネジメントは、誰にでもできるものではありませんので人選が非常に重要なのです。


なお、選抜した新人受入上司の方々に研修する時のポイントは以下のとおりです。

  • 1.部下の能力レベルを把握する(自分との違い)
  • 2.部下の志向、タイプを理解する(自分との違い)
  • 3.目標を設定し、その意義を伝える
  • 4.進捗と課題を毎週報告をさせる
  • 4.1、2を考慮したフィードバックを真剣にやる

問題は、多忙な上司がこれをサボらずにできるかどうかです。
実際の部下の成長を見ると、上司自身の「度量」と「見ているもののレベル」がはっきりと分かってしまうのは紛れもない事実ですから。

樋口弘和

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