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社会とともに変化するリーダー像とは?

皆さん、こんにちは。高度成長期、バブル崩壊を経て、現代の日本は大幅な成長が見込めない大変苦しい時代になりました。
企業を取り巻くこうした環境の変化とともに、求められるリーダー像も変わってきています。
今回はこれについて私が思うところを述べてみたいと思います。

 

最近、肉食獣タイプの管理職が減ってきたなあと感じるのは私だけでしょうか。
自己中心的でエネルギーがあり、「俺が、俺が」とどこにでも自分の影響を及ぼしたがる、管理職になってからは政治活動に勤しむタイプです。代わりにサイレントリーダーとでも言うようなタイプが台頭しているようです。これは企業だけでなく、政治の世界でも同じようなことが言えます。

 

高度成長期の日本は経済の発展をベースに、税収が常に潤沢にある期間を過ごしてきました。数十年続いたこの時期の政治家や役人は、何かを成長させることではなく、もともとある利益を分配することが主な仕事であると言われていました。つまり、攻めより守り、成長より現状維持だったわけです。

 

基本的な姿勢は企業も同じだったと言えます。市場が自然に成長する時代だったので、管理職や人事部の役割はその市場を更に増加させるというよりは、社内の「不平・不満を最小化する」ことに重きを置かれていたのです。
特に大企業は「落ちこぼれ防止マネジメント」だったのではないでしょうか。

そうした時代に企業内での政治活動による出世競争が幅を利かせたのは、守りや現状維持中心のシンプルな仕事だけでは管理職のエネルギーが有り余ってしまい、自然と自分たちのエゴへの関心が強まった結果ではないかと思います。

 

ところが現代は政治の世界も企業も大きく変わり、収入がどうがんばってもすぐには増えない時代です。
こういう時代に求められるリーダーは、「自分を捨てて組織(会社)全体の将来のために働ける人」、つまり自分の評価を度外視して、自分のチーム(課、部など)を超えた上位組織や会社全体の将来を素直に考えられる人です。

なんとなく働いていれば賃金が上がる時代とは違い、社員も低い賃金で高い生産性を求められるという強いプレッシャーの中で働かなくてはならない時代です。そうした環境下で、自分が一番かわいい管理職には誰も歯を食いしばってついていこうとは思いません。

 

政治でいえば、古い自民党の代議士と同じですね。彼らの中には自分の選挙区という考えに留まって、国についてのビジョンがあやふや・・・という人が実に多いように感じられます。
それが国民にもばれてしまった結果が今の状態なのではないでしょうか。

いずれにせよ、物事の視野や時間軸の小さい(短い)人にはリーダーが務まらない時代なのです。市場が縮小し、収入やポジションも収縮する時代だからこそ、大きなビジョンを見せて社員を「その気にさせる」ことがリーダーに求められているのです。

 

これまで「男の論理」で動いていたビジネスの現場に、最近になって女性が上位ポジションに就く例が増えてきているのは、単に男女雇用機会均等法をきっかけとした女性活躍推進の風潮だけが要因なのではなく、こうしたリーダー像の変化があり、また女性にこのようなリーダーになる可能性を秘めた人材が多いからではないかと考えています。

 

私の知り合いで理想的なサイレントリーダー像に近いのは、前回も紹介した早稲田大学ラグビー部監督の中竹さんです。

先日弊社で講演をしていただいた際に彼はこう言っていました。
「幸いなことに私は自分には興味がないので、マスコミや選手からどう思われるか全く気にしません。気にしているのは大学選手権優勝をどうやって達成するかだけです。」

まさに自分よりも組織を中心に考えていることを表す発言です。
参加したマネージャー達には、彼のこのセリフが一番刺さったようです。


樋口弘和

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