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ナチュラルリーダー(2)

皆さんこんにちは。今日も前回に引き続き、ナチュラルリーダーついて考えてみます。

 

そもそも組織が大きく強く成長する場合、同じポジションにいても求められるものは会社の成長とともに高くなるのが一般的です。

 

このことは、実は「組織」というものの大きな特色であり、成長するベンチャー企業や中堅企業では、組織の成長に人(マネージャー)の成長が追いつかなくなってしまうことがよく見受けられます。

 

渡邉美樹さん(ワタミ現会長)はこのことを「組織は人を食いながら成長していく」(「『戦う組織』のつくりかた」PHPビジネス新書)と表現されていますが、言い得て妙だなあ、と感心しました。

 

一方で、採用では成長した組織に見合う、イキのいい若手を採っていくので、成長に追いつけない上司がこの若手社員にとって「鍋蓋」のような存在になってしまうというのもよくある話です。

 

このような場合、企業の成長に追いつけず、与えられたポジションの役割を果たせない人材には、そのポジションから降りてもらうのが企業にとっても、部下となる若手社員の成長にとっても一番良い方法です。
(年功序列の考え方が浸みついた日本では実際にはなかなか難しいのが現状ですが。)

 

さて、ナチュラルリーダーとはこのような問題とは無縁の、例えるならばNHK大河ドラマの「篤姫」のような人材です。

このような人材は役割や責任があがり、最初に着た着物(肩書き)が身の丈に合わないものでも、不思議なことにしばらくすると妙に似合うようになってしまうのです。

 

実際のビジネスの現場で例えてみましょう。
入社3年目の若手をリーダーとして、後輩3名を部下につけるとします。
最初は、リーダーとしての振る舞いはぎごちなく、チームの雰囲気もイマイチだったのが、半年も経つと周りの誰が見ても彼(彼女)がまぎれもないリーダーだと映るようになります。

 

ようやく着物が身の丈に合ってきたところで、更にポジションを上げ、10名のチームのマネージャーに昇格させます。

 

そうすると部下も年上、おまけに担当する顧客も厳しい、というこれまでよりも数段難しい環境になります。

最初は見ていて「ちょっと早かったかな、このままではつぶれるかな」と少し不安にもなるかもしれません。しかし適度なアドバイスとフォローを与えると、彼(彼女)はしっかりと学んで、しなやかに成長し、マネージャーとしてなんとなくサマになってくるのです。

 

多くの人がこういったストレスマネジメントの過程で潰れてしまったり、伸びなかったりする一方で、ナチュラルリーダーと呼ばれる人材は負荷が高くとも、与えられた役割にどんどん追いつくことができる現代版篤姫のような人材なのです。

 

このような人材を発掘し、育成するには「常に負荷をかけること、追い込むこと」です。

 

私も社内等級をもとに、下から負荷レベル1,2..と6ランクくらいまで作り、直属のスタッフを一段ずつ登らせます。

必死に立ち向かう者もいれば、真っ青になる者、すぐに泣きつく者、逃げ足の早い者などいろいろです。無理をすると確実に心を壊すので、その手前を見定めることは必要ですが、期待するスタッフには、ぎりぎりまで助け船を出さず負荷を与え続けます。

ただし、階段を上ることができなかった者は会社を去る確率が高く(そのような人材ほどプライドが高いので)、経営者から見ても勇気と覚悟を要する仕事だと言えます。

しかし、このようなリーダー育成のプロセスはテストや研修には代えることができないものなのです。

 

では、なぜこのような方法しかないのでしょうか?

なぜ研修で一気に育成することはできないのでしょうか?

それは、リーダー以上の仕事は、常に自分の能力を超える仕事の連続であり、自己の弱みとの戦いの連続だからです。そして、実際の仕事には、納期、品質、その他の条件が常に付きまとい、これらの対処については実際に体験することでしか身につかないためです。

「仕事で人は磨かれる」とは真実なのですね。

そのため、リーダー育成は負荷をかけ続けること、しかも計画的に、よく見てあげながらこれをおこなうこと以外に近道はないのです。

さじ加減が難しく、結果によっては人材を活用することにも流出させることにもなりますので、間違いなく経営者の仕事だと言えるでしょう。

 

さて、自分の能力を超える階段を登り続け、組織のトップになるナチュラルリーダー共通の能力とは何か?

実は、私もまだわかっていません。

ただ、間違いなく言えることは 高い向上心が成長エンジンであること。
もうひとつは、自分よりチーム、組織、社会に貢献しようという志や器の大きさです。
こういう観点からみると、ナチュラルリーダーとは、なるべき人がなるとも言えるのではないでしょうか。

樋口弘和

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